インストール対象のマシンが LAN に接続されている場合、 TFTP を用いると、そのマシンをネットワーク越しに他のマシンから起動できます。 インストールシステムを別のマシンから起動するには、 その「別のマシン」の特定の場所に起動ファイルを置き、 またインストール対象のマシンの起動をサポートするよう 設定しなければなりません。
設定が必要なのは TFTP サーバです。 また多くのマシンでは BOOTP サーバ のいずれかの設定が必要です。
Sparc や PowerPC マシンの Open Firmware とは異なり、 SRM コンソールは IP アドレスの取得に RARP を使いません。 従って Alpha をネットワークブートするには BOOTP を使う必要があります[2]。 ネットワークインターフェースの IP の設定は、 直接 SRM コンソールから入力することもできます。
Trivial File Transfer Protocol (TFTP) は、 ブートイメージをクライアントに提供するために用います。 理論的には、どんなサーバでも、どんなプラットフォームでも、 これらのプロトコルを実装してさえいれば利用できます。 この節では、SunOS 4.x, SunOS 5.x (Solaris), GNU/Linux での例を示します。
TFTP サーバを立ち上げるには、
まず tftpd が有効になっているか確認します。
/etc/inetd.conf
に次のような行があればおそらく大丈夫です。
tftp dgram udp wait nobody /usr/sbin/tcpd in.tftpd /tftpboot
Debian パッケージは一般的にインストールする際、 デフォルトで正しくセットアップできます。
/etc/inetd.conf
を見て、in.tftpd
の引数に与えられているディレクトリを覚えてください。
後でこのディレクトリを使います。
in.tftpd のバージョンによっては、
-l
引数をつけると、
すべての要求をシステムログに記録できます。
これは起動エラーの診断に有用です。
/etc/inetd.conf
を変更したら、
変更したことを inetd に伝えなければなりません。
Debian マシンでは /etc/init.d/inetd reload
を実行します。
他のマシンでは、inetd のプロセス ID を見つけて、
kill -HUP
を実行します。
inetd-pid
次に行うことは、
項4.2.1. 「どこで インストールイメージを探すか」 の記述にある、必要な TFTP ブートイメージを、
tftpd のブートイメージディレクトリに置く作業です。
このディレクトリは普通 /tftpboot
です。
tftpd が特定のクライアントの起動に用いるファイルへのリンクを、
ここに作らなければなりません。
残念ながら、ファイルの名前は TFTP クライアントによって決まり、
強制力のある標準は存在しません。
[2] Alpha システムは DECNet MOP (Maintenance Operations Protocol) を使ってもネットワークブートできます。 しかしここでは詳細については扱いません。 MOP を使って Alpha で Linux を起動する差し迫った必要が生じたら、 おそらくあなたの部門の OpenVMS 管理者が助けてくれるでしょう。